20:30(夕飯後)
(まさかWがダンス留学なんて・・・。)
カフェに現れたWは、投資銀行の内定を辞退してアメリカに行くことにしたと私に告げた。ずっと悩んでいたダンス留学を決意したのだという。今はダンスの練習と留学の準備で忙しいが、それも幸せだと話していた。
これは私にとって衝撃的なことだった。高給取りになれる投資銀行の内定を蹴ることにも驚いた。でも、一番衝撃的だったのは、大人しめの性格であるWが就職するのではなく、趣味を極める道を選んだことだった。
(Facebookではそんなこと全然言ってなかったもんなぁ。)
自宅のPCでFacebookのWのページを開く。
コメント機能
(お、今日のこと投稿してる。)
今日私とお茶したこと、そして自分が4月からダンス留学することが打ち明けられていた。
(今日はありがとう!ほんと驚いたよ~(笑)でもそうやって自分の好きなことに対して真っ直ぐ向き合って、それで決めたことだもんね!頑張れ!)
私がコメントし終えて程なく、他の友達からも続々と驚いたような反応が書き込まれていく。その様子を見ながら、自分はこのままでいいんだろうか・・・とちょっとしんみりした気分になった。私は湯船で考えることにしてお風呂に向かった。
参考記事:Facebookで他のユーザーの投稿にコメントする方法
22:00(お風呂から出て)
(ちょっと浸かり過ぎたなぁ・・・)
湯船に浸かりながら考え込んでいたら、かなり長風呂になってしまった。実は私も内定先の他に悩んでいる進路があったのだ。シートパックを顔に貼りつけたまま、PCの前に座る。
(さてと、あの写真UPするか。)
写真投稿機能
PCに保存してあった、ある写真を開いた。先日素材写真のモデルをした時に撮影されたものだ。
大学四年生になってから始めたモデルの仕事は、当初は大学生活の思い出作りのようなものだった。でも仕事に取り組む機会が増えていくにつれ、だんだんと自分の中で存在が大きくなっていたのだ。
(先日撮影された写真が遂にUP☆撮影楽しかったなぁ~><♪)
写真についてのコメントを書き込んで、「投稿」をクリックする。撮影していた時の風景が思い起こされて、ため息が出た。
参考記事:カーチャンでもできるFacebook入門:写真を投稿しよう!J( 'ー`)し「たかしはトーチャンそっくりだよ」
23:30(寝る前に)
iPhoneを枕元に起き、ベッドに潜り込んでしばらくすると、バイブレーションの音がした。もぞもぞと手を出してiPhoneを覗き込むと、ビジネスサークル代表のK君が、友達申請を承認したというお知らせが届いていた。
「よかった。嫌われてなかったみたい(笑)」
どうやらコメントも書き込んでくれたらしい。ちょっぴりワクワクしながら書き込んでくれた投稿を確認すると、それは先程UPしたモデルの写真だった。
(友達申請ありがとう♪ってか、よりこさんモデルやってたんだね!今度また話聴かせて!)
「今度また話聴かせて・・・ってまた会おうってこと?」
そんなに深い意味が込められていないことはわかっていても、ドキッとしてしまった。「ここから何か始まったりして・・・♪」なんて余計な妄想まで繰り広げてしまう。
(はいはい、馬鹿なこと考えてないで返信しなきゃ。「こちらこそ承認ありがとう☆これからよろしく!私でよければ話すよ~(笑)」っと。)
返信を済ませるとiPhoneを置いた。またもぞもぞと手をしまう。K君の返信を楽しみにしながら、私は深い眠りに入っていった。
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