ここ1年ほどのWebトレンドとして広がりつつある、あるモノを介してつながるソーシャルネットワークサービス。日本でもさまざまなサービスが生まれて来ていますが、そのひとつ「Sumally」(サマリー)の使い方をご紹介します。
2011年に東京の株式会社サマリーが立ち上げた、ソーシャルネットワークサービスです。「Sumally(サマリー)」とは、「sum(たす)」と「all(すべて)」を合わせた「すべてをたしあげる」を意味する造語。「この世界の存在するすべてのモノの"百科事典"を作る」ことを目的とし、その“モノの情報”を媒介としてコミュニケーションも広げよう、という想いで作られました。
Sumally
スマビ総研の記事によれば、Webサイトのデザインは中村勇吾氏が担当。さらに2011年9月のローンチから4カ月で150万件の「have」、「want」のアクティビティ数があったとのことで、Webサイトのデザイン、サービスの面白さなどさまざまな面で注目を浴びています。
スマビ総研 わずか4カ月で150万件の利用!“モノ”の百科事典を目指すベンチャー(2012/01/24)
ヒト単体を重視するFacebookよりはもう少し気楽、情報が混在するTwitterよりは趣味性が強め。SNSの中でも人間関係の濃さを抑えつつも趣味の濃さは楽しめるという、中間的なスタンスが強みと言えるでしょう。
近いサービスに「Pinterest」がありますが、Sumallyが大きく違うのは、欲しいアイテムの紹介から繋がる通販カタログ的な面に加え、”この人が持っている”という情報もあるということ。つまり、紹介されるモノとヒトの関係が、所有という行動で明確になっているという部分です。
一般的に、「欲しい」と「買った」の間には、大なり小なりのハードルがあるのはご存じだと思います。そして、そのハードルになる原因は価格や環境、個人の価値観の違いとさまざまです(家は古くて安くてもいいけど車だけは高級車に乗る、というポリシーを持つ人のように)。
こうしたハードルをも超えたモノが人物像を強く浮き上がらせ、ゆるやかな繋がりの中に生活と価値観が想像させる。このSumallyの不思議な面白さこそが、人のこだわりや感性をなんとなく探りつつ、センスのよいアイテムを見つけたり、楽しんだりしたい人にぴったりなのです。
大まかには、以下のような「リストを見る」、「リストを作る」、「アイテムを登録する」の3種類を行うことができます。
インフルエンサー(Sumallyおすすめのメンバー)や参加ユーザーの「欲しい/持っている」アイテムがチェックできる。
アイテムリストから「欲しい/持っている」アイテムのピックアップや分類ができる。
Webサイト上のモノを新たに登録できる。
また、登録済みのアイテムは1クリックで自分のリストに追加でき、未登録アイテムもブラウザにブックマークレット(独自ボタン)を設置すれば簡単に追加できます。詳細データの登録以外は、ほとんどの作業が3クリック以内で終わるようになっています。
では、実際に登録方法を見て行きましょう。
左上の[Join Sumally]をクリックし、接続ページが表示されたら[Facebook]か[Twitter]、[mixi]のうちアカウントがあるサービス(どれでもよい)を選んでクリックします。
Facebookの場合の表示(Twitter、mixiで表示はそれぞれ異なります)。
アカウントがない場合は、登録できません。各サービスページでまずアカウントを取得してください。
アイテムを並べて見られる[browse items]表示。他には、自分がチェックしたアイテムを表示する[my Sumally]、Facebookなどの登録状況から友人を捜す[community]もあります。
フォロワーがいないスタート時はアイテムが表示されないので、[recommended](Sumallyのおすすめ)、[popular](人気上位)などのカテゴリからアイテムを探すのがおすすめです。フォロワーが増えてくると、写真のように[following](フォロワーが追加したアイテム)表示でのブラウズが楽しめます。
表示形式は大アイコン・小アイコン・リストから選ぶことができます(写真は大アイコン)。
もしくは、この時点で[community]からフォローする友人を探してもよいでしょう。
(1)アイテムを登録する
リスト上からリストにアイテム登録をします。欲しいアイテムや持っているアイテムの画像上にカーソルを合わせ、[want it(欲しい)]か[have it(持っている)]のボタンをクリックします。
(2)フォルダに分類する
アイテムをフォルダ分類する時は、[want it]/[have it]ボタンの下にある[新規フォルダの作成]ボタンをクリックして、フォルダ名を入力します。
フォルダ名の登録前にウィンドウからカーソルを離すと、登録ウィンドウが閉じてしまうので要注意!
(3)リストページでアイテムフォルダを作る
フォルダは登録時だけでなくいつでも作成できます。[my Sumally]ページからリストの左側に表示されている[+]タブをクリックしてファイル名を入力します。
(1)ブックマークレット(追加用ボタン)を追加する
ブラウザのブックマークバーを表示し、右上の[+ Add an item]ボタンをクリックします。[ブックマークレットを使ったアイテムの追加方法]ウィンドウが開きます。
ブックマークレットは、Internet Explorer、Safari、Firefox、Operaなどのブラウザに対応しています(パソコンの性能やブラウザのバージョンにより使えない場合もあります)。また、ブックマークバーの表示方法はブラウザごとに確認してください。
動画の右下にある[+Sumally]ボタンをブックマークバーにドラッグします。
[+Sumally]ボタンが追加されます。
このページに詳細な動画説明アリ。
(2)Webサイト上で見つけたアイテムを追加する
アイテムのページで[+Sumally]ボタンをクリックすると、クリックできる画像にオレンジの枠が表示されます。[want it]か[have it]を選択します。
詳細ページでアイテム情報を記入し、登録します。その後[item added to"wants(haves)"]とウィンドウに登録した旨が表示されればOKです。
自分が登録したアイテムに情報を追加したい時は、右上のEditマークから編集します
重複登録したアイテムは削除依頼が必要になります。自分では削除できないので要注意。
データが追加されました。
これまでご説明してきたように、Sumallyの大きな特徴はモノのリストアップです。また、リストは「欲しいモノリスト」と「持っているモノリスト」に分けられますから、その内容をどんなテーマに応用するかが活用のポイントとも言えそうです。
筆者の提案は、引っ越し時のアイテムリストとしての活用です。春の入学・就職前だけでなく、社会人であれば秋時期の異動も多いもの。どんな時期でも大変な作業になるだけに、いかにモノを手際よく捨て、移動させ、追加することがポイントです。そこで、そのモノの管理にSumallyの仕組みを利用するわけです。
(1)手持ちアイテムの確認&取捨選択
いつの間にかモノが増えている、置き場所がないと悩む人の多さからもわかるように、自分の持ち物は意外と忘れがち。そこで、まずは[have it]メインで手持ちの家具や生活用品をリストアップします。この登録時に「捨てるもの」と「残すもの」フォルダを作成し、それぞれ分類するようにしておきます。
(2)必要なものをリストアップする
「捨てるもの」リストができたら、次は買い換えるものを[want it]ボタンでリスト化していきます。[want]リストと[have]リストはタブで切り替えられるので一目瞭然です。
(3)購入・比較検討する
Sumallyでは画像のリンク先が楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなど直接購入できるショッピングサイトにあることも多いため、購入先を探す手間が省ける場合があり、便利です。もちろん、リンク先を基準に他のショッピングサイトと比較検討することもできます。引っ越し先が決まっていれば、そちらに直接発送してもらうという手も使えそうです。
(4)スマートフォンアプリと併せて店頭でチェックする
ここではPC版を中心に紹介しましたが、SumallyはAndroid、iPhoneともにアプリがリリースされています。このアプリを併用すれば、リストを店頭でチェックするのも簡単です。他のToDoアプリやストアチェックアプリなどを併用すれば、さらに効率のよいアイテム探しができるに違いありません。
思い出して整理する。この思考でSumallyを使ってみると、1つずつアイテムを思い出して登録する仕組みは、自分の内側を整理するツールにもなりそうです。引っ越しだけでなく部屋の模様替えや整理など、意外と断捨離アイテムにも向いているのかもしれませんね。
シンプルな仕組みだけに、幅広い活用方法が考えられそうなSumally。通常の楽しみ方はもちろん、ぜひいろいろと工夫してオリジナリティ溢れる利用方法を考えてみてくださいね。
(Photo by Here's my new Behance stickers in action - freeform notes on the tight, tasks on the left. / Al Abut)
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