4年に1度行われる夏季オリンピック。著者は学生時代にずっとやっていたサッカーに注目してみています。
オリンピックのサッカーは、他のオリンピック種目とは少し異色で、選手の出場資格に「23歳以下の選手に出場権がある」という年齢制限を設けていたりします。
しかし、予選を通過したチーム(国)は、本大会で「オーバーエイジ枠」という特殊な選手選抜の規定を使用することができ、大会を盛り上げる一つのトピックだったりします。
今回は、男子サッカーオリンピックを楽しんでいただくために、この「オーバーエイジ枠」という規定に関してご説明したいと思います。
『オーバーエイジ枠』とは、
「本大会に限って、この年齢制限に適合しない選手であっても各チーム3名を上限として登録可能とする」
という参加選手を選ぶ際の規定です。つまり、「本大会で、24歳以上の選手が3名使える」というルールです。国際オリンピック委員会 (以下、IOC)というオリンピックの運営団体が1996年の『アトランタオリンピック』より定めた規定です。条項自体には「オーバーエイジ」という語句は用いられていないのですが、通称『オーバーエイジ枠』と呼ばれ、一般的に認知されています。
オリンピック男子サッカー競技では、原則として、
「五輪開催年前年の12月31日現在で23歳未満の選手」
という選手選抜規定があり、この規定を守り、各チームはオリンピックへの参加国を決めるために大陸別予選を戦います。しかし、本大会では、この『オーバーエイジ枠』という規定を利用することができ、世界NO.1のチームを決めるべく戦うのです。
簡単に言ってしまうと、『大会を盛り上げるため』です。
なぜこの規定があるかというと、基本的にアマチュア選手が競技を競うアマチュア主義のIOCが運営する「オリンピック」に対して、アマチュア、プロフェッショナル問わず出場可能な真のサッカー世界王者を決める大会としての「ワールドカップ」を運営する国際サッカー連盟(以下、FIFA)との関係による歴史的背景が基となっています。
プロアマ問わず戦うワールドカップなどの各種国際大会に対し、アマチュア主義で行っていたオリンピックサッカーは急速に興味が失われていったと言われています。
オリンピックサッカーをより盛り上げるべく、出場選手制限の撤廃を進めるIOCと、ワールドカップとの区別と選手派遣を拒否するクラブの意向を守るFIFAとの協議の上できたルールがこの「オーバーエイジ」という規定なわけです。
オーバーエイジ枠:利用せず
大会結果:2勝1敗 グループリーグで敗退
vs ブラジル 1-0 〇勝利
vs ナイジェリア 0-2 ×敗戦
vs ハンガリー 3-2 〇勝利
オーバーエイジ枠:利用
MF:三浦淳宏(2011年に引退、当時は横浜F・マリノス所属)
DF:森岡隆三(2008年に引退、当時は清水エスパルス所属)
GK:楢崎正剛(現役:名古屋グランパスエイト)
大会結果:2勝2敗 ベスト8(準々決勝で敗退)
vs 南アフリカ 2-1 〇勝利
vs スロバキア 2-1 〇勝利
vs ブラジル 0-1 ×敗戦
vs アメリカ 2-2(PK:4-5)×敗戦
オーバーエイジ枠:利用
MF:小野伸二(清水エスパルス、当時はフェイエノールト所属)
GK:曽ヶ端準(鹿島アントラーズ)
大会結果:1勝2敗 グループリーグで敗退
vs パラグアイ 3-4 ×敗戦
vs イタリア 2-3 ×敗戦
vs ガーナ 1-0 〇勝利
オーバーエイジ枠:利用せず(※使えず)
唯一招集されたガンバ大阪の遠藤保仁選手でしたが、オリンピックが直前にウィルス感染症と診断され、招集を辞退したため、結果的にオーバーエイジ枠は利用しませんでした。
大会結果:0勝3敗 グループリーグで敗退
vs アメリカ合衆国 0-1 ×敗戦
vs ナイジェリア 1-2 ×敗戦
vs オランダ 0-1 ×敗戦
「オーバーエイジ枠」という制度が利用されてからの過去4大会、日本はオーバーエイジ枠を2回使っています。
この規定を使うことは任意のため、使うか使わないかは、チームの戦術や戦力を考慮し、監督が決める形になります。
ただ、視聴者としては、このオーバーエイジ枠に誰が選ばれるのか?というのは大会前に非常に気になる関心事となります。
どういう選手を入れたらチームが強くなるのか?
もしくは入れないほうがよいのか?
など、いろんな予想をするのも男子オリンピックサッカーの楽しみ方かと思います。
ぜひぜひご参考ください。
(Photo by :サッカー日本代表戦 / ysakaki)
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