つい最近まで、筆者はパイナップルを切るのが苦手でした。皮を薄く削ぐと茶色のボツボツした部分が残り、えぐらなくていけないので面倒。しかし皮に近い部分の実は甘くて美味しいので、厚く削ぐのはもったいない。その二点のジレンマに悩むのが億劫だったのです。
その悩みを解決したのが、今回ご紹介する切り方です。マレーシアに旅行した際、現地の友人のお母さんに教えてもらいました。
これはタイなどでも見かける切り方で、単なる飾り切りだと筆者は思っていたのですが、友人母いわく、見た目ではなく茶色のボツボツ部分をムダなく取り除くための効率的な切り方なのだそうです。
その証拠と言わんばかりに、目の前で友人母の手により美しくカットされたパイナップルは、その直後、惜しげなくザクザクみじん切りにされ、煮え立つカレー鍋の中へ消えました。
さっそく、切り方をご紹介します。
パイナップル
よく切れる包丁
まな板
頭とお尻を落とします。
実を立てて、胴部分の皮を削ぎ落とします。
実を横にします。茶色のボツボツ部分が螺旋状になっていることがわかると思います。適当に狙いをつけて、包丁をボツボツラインに沿わせ、浅く垂直に包丁を入れます。
最初は中央部分から始めるとやりやすいです。一度に狙うボツボツ部分は2~3点。あまり深く包丁を入れないように注意してください。
垂直に入った切り口に向かって、斜めに包丁を入れます。
切り口はV字ですが、左側が垂直、右側のカットが斜めになっています。
同様にして、左右のラインを作っていきます。
一列切り終わると、下の写真のように切り口が揃います。
実を手前に転がし、先に作ったラインをつなげるように、同様の方法で茶色のボツボツ部分をカットしていきます。
一列終わったらまた少し手前に転がし、同じ手順を繰り返して一周したのが下の写真です。
実を立てて4分割し、芯を切り落としてから食べやすい大きさに切ります。
初めて友人母の鮮やかな手さばきを見たときは、「職人技!」と拍手しましたが、その後、2~3個切ってみると案外すんなりと慣れ、簡単にカットできることがわかりました。今では5分かからず螺旋切りができます。
見た目が美しく、かつ無駄も出ない、効率の良いパイナップルの切り方。ファーストトライは微妙な結果に終わる可能性がありますが、自分を信じて2~3個目を切るときには満足の結果が出せることでしょう。
美しく切れると、なんとなく気分も良くなります。是非お試しください。
(Photo by 著者)
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