オリンピックで行われる競技種目「リレー走」についての基礎知識を紹介します。
基本的に1レースにつき8チームで争います。1チーム第一走者から第四走者までの4人で構成されます。
4人で100mずつ走る400メートルリレーと、4人で400mずつ走る1600メートルリレーが行われます。
第一走者はスターティングブロックを利用して、クラウチングスタートでスタートします。
400メートルリレーでは、チームごとに専用のレーンに分けられた、セパレートコースで走ります。1600メートルリレーでは、最初はセパレートコースを走りますが、第二走者が第2コーナーを抜けるとレーンがフリーになり、自由なレーンで走って良いオープンレーンになります。
バトンの受け渡しは、テイクオーバーゾーンと呼ばれる所定のエリア内で行われなければならず、この範囲外で受け渡しが行われた場合は失格になります。また、バトンの受け渡し時に落としてしまった場合は、渡す側の走者が拾って渡さなければ失格になります。
レース開始の合図よりも早くスタートしてしまう不正行為をフライングと呼びます。フライングは各レースごとに累計1回までしか許されず、累計2回目以降にフライングをした選手は、その選手にとって初めてのフライングでも失格になってしまいます。
例えば選手Aがフライングをした後、同じレースで選手Bと選手Cがフライングをしたら、選手Bと選手Cが失格となります。累計1回目のフライングをした選手Aは失格になりません。
各レースで、第四走者の選手の胴体がフィニッシュラインに到達したときにフィニッシュとなります。フィニッシュした順番がそのまま勝敗になります。
フィニッシュの判定には写真判定システムを利用します。
1レースあたり8チームで争い、各レースの上位3チームと、それらのチームを除いて最もタイムが速かったチームが次のラウンドへ進むことができます。
各レースの上位4チームが決勝に進出できます。
予選レースを勝ち抜いた上位8チームで争われます。
単純な個人記録だけでなくチームワークも非常に重要であり、そういった意味でも見どころのある競技です。
男子400メートルリレー競技は、日本にもメダル獲得のチャンスがある種目と言えるでしょう。近年では2004年のアテネオリンピックで4位入賞を果たし、2008年の北京オリンピックでは、強豪国の多くが失格で決勝に進出できなかったこともあり、銅メダルを獲得しています。
男子1600メートルリレー競技は、1996年のアトランタオリンピックで5位入賞、2004年のアテネオリンピックでは4位入賞とメダル獲得に近い競技と言われてきましたが、選手層が薄く、そのためベストの状態で挑める機会が少ない点が懸念事項とされています。
個人記録で他国に劣る日本の選手ですが、バトンパスの精度を高めること、およびチーム練習を多く積むことで強豪国との差を縮め、挽回している競技です。
一方の女子は、出場自体がほとんどありません。
世界的にはアメリカとジャマイカの実力が突出しています。
ただし、強豪国は個人種目を重視する傾向が強いために、ミスや失格などであえなく予選で敗退するケースも目立ちます。
JOC - 競技紹介:陸上競技
公益財団法人 日本陸上競技連盟
400メートルリレー走 - Wikipedia
1600メートルリレー走 - Wikipedia
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